放課後デイサービスの、「ありそうでない」 まんなかのストライクとはなにか
NHK-FMのとことんシリーズは、
いま「とことんわたしのマスターピース」というのをやっている。
アルバムの表面と裏面を、コメントをはさんで4〜5曲をとおしてながす。
一枚のアルバムとしての構成を、全体でたのしむというものだ。
というと、とくべつみたいだけど、
むかしはそうやってレコードをきいていた。
というより、それ以外にレコードのききかたはなかった、といってもいい。
いまはCDだけに耳をかたむけることなどあまりなく、
なにかのついでに音楽がながれていることがおおい。
「マスターピース」は、そうではなく、もういちどレコードをきいたように
音楽をたのしもうという企画だ。
いろいろな番組があるなかで、アルバムをぜんぶきけるなんて、ありそうでなかなかない。
司会者は楽そうだなー、とまずおもったけど、
素直に番組のコンセプトをうけいれると、ほんとうにめずらしい企画だ。
こういう、「ありそうで ない」企画をおもいついたひとはえらい。
「ありそうで ない」は、
野球でいえばまんまんなかの直球だ。もちろんストライク。
バッターはおどろいて、あんがいうてないものだし、
サッカーでもPKの極意のひとつは、
ゴールのまんなかにけることだ。
キーパーがかってに左や右にとんで、
まんなかをあけてくれる。
放課後デイサービスでの、「ありそうでない」
まんなかのストライクとはなにか。
今年度の宿題にとしてかんがえてみたい。
いまなんとなくおもっているのは、放課後であること。
学校からはなれた自由な時間だ。
あそぶにしろ、勉強をするにしろ、
学校教育のおもわくとははなれたところにある時間。
それをどれだけまんなかにすえらえるか、のような気がする。
(吉田 淳)