ありがとう、ワタナベさん

お世話になっている事業所の職員さんに
◯◯さんという方がおられます。
でも、これじゃあなんだかへんなので
やっぱり名前をかくと、
これまでピピがなんとかやってこれたのは
かなりの部分ワタナベさんのおかげ、
というはなしを紹介します。

あゆみさんがあまり感心しかねるつっこみをいれたり、
質に問題のありそうなわらいをとろうとしたときは

「それって、ワタナベさんみたいだよ」

とわたしはかるく指摘します。
すると彼女は、いつもはそうでもないのに、
ワタナベさんの名前をだされたとたん、
ものすごく素直にわたしの忠告をききいれてくれます。
じっさいに、ふたりはまるで兄弟のように
よくにた発想をすることがおおく、
その自覚があるからこそ、
ふれられたくない秘密の領域となっているようです。

「ワタナベさんみたい」は、
ほんのかるくちらつかせるだけで、
ギクシャクしかかったわたしたちの意思疎通が
ただちに軌道修正され、おおくの譲歩をひきだせる、
ありがたい魔法のことばです。
ナメクジに塩、どころではなく、
はずかしそうに自説をひっこめるあゆみさんをみると、
なんだかもうしわけないことをしたような気さえしてきます。
おかげでピピの職員間では、
なかなか明文化しにくいデリケートな部分について
明確な指標を得ることができました。

このまえひさしぶりにワタナベさんにおあいしたら、
日頃いかにワタナベさんの恩恵にあずかっているのかをおもいだし、
感謝の気もちをつたえたくなりました。
なによりもすごいのは、ここにかいたことが
いささかの誇張もなく、
完全な事実であることです。
ありがとう、ワタナベさん。