じつはものすごくむつかしいスペシューム光線のポーズ
5月12日づけの朝日新聞に
「寿ワッチ!ウルトラ70歳」という記事がのった。
ウルトラマンの着ぐるみにはいっていた
古谷敏さんが7月に70歳をむかえるにあたり
共演者があつまっておいわいをひらくことになったそうだ。
古谷さんはウルトラマンのスーツアクターとして、
またウルトラセブンではアマギ隊員として活躍されている。
「セブン」のあとは不遇の時代をすごしていたが、
2009年に出版した『ウルトラマンになった男』により人気が復活し、
サイン会やトークショーに出演するようになったという。
ウルトラマンといえばなんといってもスペシューム光線で、
簡単そうにみえるポーズなのにしろうと(あたりまえ)がやると
なかなかきまらない。
記事によると、古谷さんはこのポーズを
三面鏡のまえで毎回300回練習されていたという。
また、ちょっとまえかがみになる独特のファイティングポーズは
『理由なき反抗』のジェームス=ディーンをまねたことが紹介されている。
たくさんの子どもたちを熱狂させたウルトラマンのリアリティの秘密は、
こんなところにかくされていたのだ。
ちなみに、なかなか必殺技をださないウルトラマンを反面教師として、
『鷹の爪』にでてくるデラックスファイターは、
登場するとすぐに必殺技のデラックスボンバーをはなつようになり、
ひんしゅくをかっている。
トークショーでは
「『本物ですよね』と男性ファンが涙を流して握手を求めてくる。
『もう光の国に帰らないでくださいね』と言うんです」
というからすごい人気だ。
はじめは「いいはなしだなー」とおもっていたが、
この「光の国に帰らないで」は
いかにも新聞がよろこびそうでマユツバものだ。
70歳のウルトラマンに、そんなムリをいってはいけない。