ピピとピピ2

特定非営利活動法人ぐりぐりの放課後等デイサービス・ピピと児童デイサービス・ピピ2のブログです。毎日元気にぐりぐり遊ぶ様子が残せたらいいなぁと思っています。

夏休みの素敵な出来事♪

あっという間に、時は過ぎ・・・夏休みも無事終了。
2学期も始まり、子どもたちは順調に行事をこなしてきています。行事が苦手な子も多く、お疲れモードで帰ってくる日もありますが、様子を見ながら行ったり来たりの日々です。
今年の夏休みは、ピピにとって4回目の夏休み。
今回が一番 子どもたちのかかわりが濃い面白い遊びを見ることができました。
中でもとっておきのエピソードを・・・

小学2年生のSくん。
1年生のころは、楽しい気持ちや何かが気になった時の気持ちを抑えることが難しく母屋で過ごすにはしんどいことが多かったので、はなれで過ごすことが多い彼でした。スケジュールがわかって、安心して過ごす方法を見つけて・・・今では「休む」「運動(トランポリン)」「おやつ」「お弁当」ははなれで、「遊ぶ」「勉強」「お仕事」「絵本」は母屋で過ごしています。どこで何をするのか自分で選んですごせるくらい、自分のことがわかるお兄ちゃんになってきました。
母屋ですごすようになって、最初は「物(おもちゃ)」に目が行っていた彼もだんだんと「ほかの子の遊び」に興味を持ってくるようになっていました。そろそろ、個の遊びから共同の遊びに行くころかなぁと思いつつ見守る夏休み。転機がやってきました。
汽車セットと積み木で街づくりをしていたKくんの遊びがトーマス大好きのSくんには「やってみたい」遊びになったようです。
なんとなく中に混じることができてウキウキ。。。しかーし、ウキウキ過ぎたのか思わず飛び跳ねてしまい作っていた街が崩れてしまいました。
崩れた街にみんながしーん。
とっさに「ごめんなさい」とSくん。
それに対して「・・・」と返事がないKくん。
するともう一度「Kくん ごめんなさい」
「・・・いやだ・・・」
聞いた瞬間に、Sくん大泣き! きっと「ごめんなさい」には「いいよ」がセットだったのでしょう。想定外の返事がかなりショックだったようです。
収拾がつかないくらい大泣きになってしまったSくん。私にしがみついて泣きだし「はなれ行きます!」すごいなぁ。自分で落ち着く場所をわかっていて上手にリクエストできました。
「はい。行こうか。」とはなれに行っている間に、スタッフに「悔しかった気持ちはよくわかるから許す必要はないけれど『Sくんがうれしすぎて飛び跳ねちゃったこと』『ニコニコして謝っていたのは反省してないからではなくてSくんは困ったときにニコニコしちゃうこと』はわかってあげてね。」とKくんに伝えるようお願いしました。
その日はショックから立ち直れなかったSくん。「Kくんいやだって。いやだ(は)いけんよ。」と言いながら泣いていました。「そうだねぇ。いやだって言ってたねぇ。こわしちゃったからおこったんだねぇ。いっぱいこわれたもんねぇ。」と答えるとだまって毛布にくるまっていました。

さて、次の日・・・Sくんがはなれから母屋に来るとKくんが街づくりをしています。その遊びをじっと見るSくん。「一緒に遊んでくださいって言うんだよ」と助け舟を出すと「Kくん 一緒に遊んでください!」「いいよ!」やったぁ!仲間に入れてもらえました。
二人の遊びをちょっとドキドキしながら見守っていると、Sくんとっても慎重に遊んでいます。すごいなぁ。
そして、できあがった街です!

積み木の上にレールを乗せるのも、動物園の動物を並べるのも、積み木でおうちを作るのも、新幹線を走らせるのも繊細な指先の動きはもちろん崩さないよう台無しにしないよう慎重に作って遊ぶ必要があります。


そして、すごくうれしそうなSくん!

「一緒に遊びたい」「この遊びがしたい」そういう子ども自身の思い(遊びの動機)ってすごく大事だなぁと改めて感じました。
これがもし「いっしょに遊びなさい」「これで遊びなさい」「なかよくしなさい」と大人に言われて始まった遊びだったら、こんな素敵なドラマは生まれなかっただろうなぁと思います。

夏休み、子どもたちはたくさん素敵な作品を作ってくれました。
作品も素敵でしたが、その作品ができあがるまでにみせてくれた遊びや心の葛藤もとっても素敵でした。
たくさんの素敵エピソードの中から、ひとつご紹介でした。
(たかはしあゆみ)